なぜ今薪ストーブが人気なのでしょうか

スイッチ1つですぐに温かくなる便利な設備に囲まれた生活をしていると、暖を取るという感覚がだんだん薄れてしまいます。オール電化など現在の生活の中では炎そのものを目にする機会も減っており、便利で快適な生活が送れる状態にありながらも、まきを燃やして暖をとるという暮らしに強い憧れを持ち、薪ストーブに対する人気が高まっているといわれています。人は本来火を燃やすということが好きな生き物で、ゆらゆらと燃える炎に癒しや安らぎを感じるといいます。火の周りに自然に家族が集まるという暮らしは、各自の部屋に快適に過ごせるエアコンが配備されている環境では中々実現できにくく、どこか懐かしくロマンを感じさせる魅力があります。便利な時代だからこそ見失いがちな多くのものを炎で暖をとる生活がもたらしてくれるのかもしれません。

あえて手間をかけて火のある暮らしをたのしむという贅沢

石油やガスなどの化石燃料を使用した暖房器具と異なり、薪ストーブはまずその燃料となるまきの調達からして簡単ではありません。そして燃料を準備できても火がすぐにつくわけではなく、エアコンならスイッチを入れれば数秒後には温かい風が何の苦労もなく噴出すのに、この手間にかける労力を考えればなんとも効率が悪いともいえます。けれど、便利で快適な生活の中であえて手をかけ時間をかけ、しかも途中で火の様子を見たりするなど、様々な手間をかけることが、便利な世の中だからこそむしろ贅沢に感じられるのかもしれません。さらに従来の暖房方法と比較すると手間だけでなく燃料費が安くなるわけでもないというのに、何故人はこんなにも薪の炎に魅せられるのか。それはやはり環境への配慮やスローライフへの回帰願望が根底にあるからに他なりません。

自給自足の可能な方法で暖をとることの大切さ

電気を使わず、自給自足の生活をすることが可能な燃料であるまきを使って暖を取ることは、アウトドアが趣味という人ばかりでなく環境への配慮や防災意識の高い人々からも高い支持を受けています。東日本大震災以降、災害時の備えとして電気やガスなどのライフラインがストップしたときでも利用できる暖房方法に対する関心が高まったとも言われています。東日本大震災は電気に依存する便利で効率の良い生活が送れることが実は当たり前ではなく、大自然の猛威の前ではとてつもなくもろいものだという事実を奇しくも多くの人が知るきっかけとなりました。火を燃やすという人間が本来大きな安らぎを感じる行為を、生活の中に取り入れていたい、そんな願いが薪ストーブの魅力に目を向けるきっかけになっています。